はじめに
- 近年では、糖尿病や動脈硬化により足の潰瘍・壊疽で苦しむ患者さんが急増しています。しかしながら、日本にはそれらを専門的に診る“足病医”がいないため(欧米では足先から膝下までの疾患を診る“足病医(Podiatrist)”という職種が確立されています)、行き場のない患者さんが右往左往しています。そのような患者さんを総合的に診る窓口になれればという思いで、2012年よりこの外来を開設しております。
- 特に糖尿病や動脈硬化症が既往にある方は、たかが胼胝や爪周囲炎であっても、下肢切断を施行しなければならない状況に急激に進行してしまいます。当外来では、それらを未然に防ぐべく、循環器内科(血管内治療)や糖尿病内科(血糖コントロール)と連携しながら治療にあたるほか、単に潰瘍の治療をするだけでなく、潰瘍を再発させないような環境調整(下肢装具や足底装具の作成)も同時に行っています(装具外来)。また、クロウトウ、ハンマートウの手術も積極的に行い、“足の健康寿命を延ばす”ことを目標としています。
- また、高齢化社会により褥瘡でお困りの患者さんも多くおられます。褥瘡をもちながらも、ご家庭や各施設で、患者さんご本人はもちろんのこと、周りの家族・看護介護者が苦痛なく過ごせることを重要視し、“患者さんの疾患の向こう側まで診る診療”を心掛けております。もちろん病状に合わせて、皮弁手術や入院加療にも対応しております。