腫瘍内科
【はじめに】
  • 腫瘍内科は、薬物療法を中心としたがんに対する総合的な治療を専門的に行っています。2014年5月より診療を開始いたしました。常勤医師2名と信州がんセンターからの派遣医師により外来と通院・入院化学療法を行っています。
  • 患者さんの肉体的・精神的なつらさに十分対応して療養生活の質をなるべく高く維持するため、症状緩和のための早期からの多職種による緩和ケアを導入し、しっかりした副作用対策をしながら、エビデンスと経験に基づいた、積極的な抗がん治療を行っています。
【がん薬物療法の対象】
  • 消化器がん(胃癌や大腸癌、膵臓癌など)や呼吸器がん(肺癌)、婦人科がん(子宮癌、卵巣癌)、乳がん、軟部組織腫瘍(肉腫)、原発不明がんなどの固形腫瘍に対する抗がん剤、分子標的剤、内分泌治療剤、免疫チェックポイント阻害剤などによる薬物療法(±放射線療法)
【がん薬物療法】
  • 治療方法の選択は国内外のガイドラインやエビデンスに基づき、患者さんの状態などを勘案して、患者さんと相談しながら進めます。関係のある診療科や部門と密接に連携して安全で効果のある治療を行う事としております。
  • 国内のがん研究団体に所属しており、患者さんにメリットがあると考えられる臨床試験には積極的に協力しておりますので、ご相談を受けます。
  • 強力で複雑な薬物治療や、全身状態の変化などの際には入院にて治療を行います。
  • 抗がん剤治療の副作用対策を重要視しており、院内の他診療科医師およびメディカルスタッフからの相談を受け、がん専門薬剤師、がん化学療法認定看護師とともに対応・指導しております。
  • がんに対する治療効果が科学的に確認されていない代替療法や、いわゆる民間療法の施行には反対の立場をとっており、他院での施行に関する協力も、健全な保険診療のために行わないことにしています。
  • 2018年にも、院内だけでなく上伊那地域や長野県内及び県外の医療機関から多くの患者さんをご紹介いただき、60名あまりにがん薬物治療を開始しました。疾患の内訳は、大腸がん15名、胃がん11名、頭頸部がん1名、肺がん1名、膵臓がん15名、食道がん9名、肝胆道がん7名、血液悪性疾患13名、原発不明がん5名、軟部肉腫1名などです。平均して常時150-200名の患者さんを外来通院治療しております。
  • 副作用対策が重要ながん免疫療法も悪性黒色腫、肺がん、胃がん、膀胱がんなどに対して20名以上の治療を行ってきており、診療科/職種横断的な対応の中心的役割を担って安全に治療を行っております。
【緩和ケア】
  • 治療早期からの緩和ケアを非常に重要視しております。外来での治療においては、がんによる痛みや不眠などの症状制御を最初に治療を開始することにより、患者さんの不安や負担を軽減することで有効で十分ながん薬物治療をおこないます。
  • 入院中の患者さんには緩和ケアチームのリーダーとして、緩和ケア認定看護師や病棟スタッフ、薬剤師、リハビリスタッフとともに、肉体的な痛みだけでなく精神的な問題や社会的な問題に対して対処することにより、患者さんとご家族の負担を少なくする努力をしています。
  • 腫瘍内科以外に入院中のがん患者の緩和ケアに関する回診を週に1回行っております。当院受診中のがん患者さんのご家族の不安などに対しても外来で対応しています。
【安全な治療について】
  • がん薬物療法は、量がすぎれば強い副作用が出現し、投与する量が少なければ全く効果が出ないとされます。重篤な副作用はときに生命に危険が及びますので、患者さんそれぞれの特徴や薬物の相互作用などを十分考慮したうえで施行する必要があります。当科ではがん薬物療法に関する専門的な知識を有する医師・薬剤師・看護師のなかでよく検討して薬物を選択・投与し、副作用の出現による生活の質の低下を予防するため最大限の注意を払います。
【療養生活の支援】
  • からだの状態によっては、抗がん剤治療がかえって生活の質を下げたり、元気でいられる時間を短くしてしまう可能性が高くなることもあります。薬物療法の長所と短所を患者さんやご家族と相談しながら、可能な限り療養生活の支持をして参ります。さらに、ご自宅での療養が続けられるように、地域のかかりつけ医や訪問看護師等とも連携して、患者さん個々に適した総合的な視点を持って治療を行います。
  • がんの治療には時間がかかります。また、精神的にも肉体的にも経済的にも大きな負担になります。そのため治療初期から緩和ケアチームによる様々な支援が欠かせません。腫瘍内科は精神腫瘍科、緩和ケアチーム、通院治療室とともに臨床腫瘍部門を構成しており、多くの診療科(外科・麻酔科・放射線科・泌尿器科・婦人科・精神科など)の医師や看護師・薬剤師・理学療法士・社会福祉士・心理療法士など多職種のスタッフによる、包括的な診療を通して、がん薬物療法に伴う副作用の制御と、痛みやつらさといった、がんによる肉体的・精神的症状に対処いたします。
  • 厚生労働省の掲げるがん治療の目標のひとつである、”地域でのがん患者さんの治療・療養”のため、治療早期から、ご自宅での療養体制、地域での療養体制の確立の支援を、地域の医療機関、ソーシャルワーカーなどのご協力のもと行っています。
  • 当科でがん薬物治療を行ったのちに、原疾患の進行などにより2018年に死亡された患者さんは45名いらして、そのうち7名はご自宅で、2名は施設で、5名は地域の療養型病院でなくなっております。
【がん情報リテラシーについて】
  • がん治療に関しては現在、幸か不幸か、テレビや雑誌、インターネットなどに様々な情報があふれており、その内容も玉石混淆であることは否めません。テレビや新聞の報道にも誇張しすぎたりセンセーショナルな内容のみをを偏って取り上げる傾向があることを知っておいていただきたいと存じます。
  • ご自身やご家族が受けているがんの治療や療養生活に関して不安や悩みがあれば、可能な限りお答えしていきたいと思います。当院セカンドオピニオン外来を通じて申し込んでいただければ幸いです。
【がん薬物療法専門医とは】
  • 各科の基本専門医資格(内科専門医、外科専門医など)を有する医師が、5年以上がん診療及び研究に携わり、認定研修施設において、所定の研修カリキュラムに従った臨床研修を行ったことが証明され、様々な領域の治療を記した30例の病歴報告を含む書類審査と、すべての臓器の悪性疾患(がん)治療に関する筆記試験および面接試験を経て日本臨床腫瘍学会により認定されます。
  • 令和元年5月時点で全国に1,336名(長野県では24名)の専門医が認定されています。全国で14,000名以上が認定されているがん治療認定医を1階部分とすれば、がんに対する薬物治療に特化した2階部分と位置づけられ、抗がん剤治療の専門家であると同時に、各種がんに対する集学的治療のコーディネーターとして、よりよいチーム医療としてのがん治療の推進役であることを期待されています。

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スタッフ

医師名 専門領域 略歴等
部長
 タケウチ ノブミチ
 竹内 信道
腫瘍内科(がん薬物療法、がん緩和医療)
 
医学博士
1998年4月着任

日本臨床外科学会(評議員)
日本大腸肛門病学会(評議員)
大腸がん研究会(施設代表者)
専門性に関する資格
日本環境感染学会(認定感染制御医)
日本緩和医療学会(緩和ケア指導者)
日本乳がん検診精度管理中央機構(検診マンモグラフィ読影認定医)
日本外科学会(外科専門医・指導医)
日本消化器外科学会(消化器外科専門医・指導医)
日本大腸肛門病学会(大腸肛門病専門医・指導医)
日本臨床腫瘍学会(がん薬物療法専門医・指導医)
日本癌治療学会(がん治療認定医・指導医)
 
主任医長
 クロサワ サイコ
 黒澤 彩子
専門領域 2019年4月着任
血液内科、輸血、腫瘍内科
 
専門医・認定医等
日本内科学会(認定内科医)
日本血液学会(専門医)
日本輸血・細胞治療学会(認定医・細胞治療認定管理師)
日本造血細胞移植学会(認定医)
 

その他のスタッフ
 一般社団法人 日本医療薬学会
 がん専門薬剤師

 ロクハラ タカシ
 六波羅 孝
 公益社団法人日本看護協会
 緩和ケア認定看護師
                
 ヨシダ ソノミ
 吉田 園美 
 公益社団法人日本看護協会
 がん化学療法看護認定看護師 
              
 クドウ アキコ
 工藤 亜紀子

腫瘍内科:診療カレンダー

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